皆さんこんにちは、GOK(@dailyshinjuku)です。
今回は、新宿武蔵野館で上映されていた映画「ペトラは静かに対峙する」のあらすじやレビューをご紹介したいと思います。
「ペトラは静かに対峙する」あらすじ1
映画「ペトラは静かに対峙する」は、主人公の画家・ペトラが彫刻家ジャウメの邸宅へ作品制作の為にやってくるところから話が始まります。
それでも冒頭ではなかなかジャウメが登場しません。
やっと登場したジャウメは名の知れた彫刻家で資産家、とんでもない役の設定です。
若いころから女性問題が多く、「若いことからお盛んだったわね」と奥さんに言われる始末。
そして、ペトラはジャウメが実の父ではないかと疑い、真実を知る為にやってきたのでした。
ジャウメの一人息子である写真家ルカスは、ジャウメと馬が合わず何度か家を出ますが、戻ってきては親のスネを嚙っています。
一人息子のルカスを才能はないと見下し、突き放すジャウメ。
次第にルカスはペトラと仲良くなり、二人は急接近しますが、ペトラは実の兄だと疑っている為、距離を保ちます。あっさりと振られるルカス。
そんな時にある悲劇が起こります。
ジャウメは、使用人テレサの息子パウを雇うのと引き換えに、テレサに肉体関係を要求。
要求に応じてしまったテレサは、罪悪感から自殺を選択してしまうのです。
息子のルカスは、父・ジャウメの非道さを思い知り、家族の元から去っていきます。(何度目かわかりません)
ペトラはついに、ジャウメに実の父親ではないのかと真実を求め、問いただします。
しかし、「私の子ではない」とペトラはあっさりと否定。
「ペトラは静かに対峙する」あらすじ2
やがて、ペトラは画家をあきらめ、異母兄弟ではないと安心して息子・ルカスと再び急接近。
ルカスと結婚し、娘が産まれ、新しい土地で3人幸せに暮らしていました。
そこに、またあのジャウメが爆弾を落としにやってきます。
ジャウメは、息子・ルカスにペトラは実の娘だということを打ち明けます。ペトラに言ったのは嘘だったと言うのです。
息子の幸せを邪魔して快楽を得ている極悪非道なジャウメ。
ルカスは絶望し、父・ジャウメに銃を突きつけます。しかし、優しいのかルカスは父を撃てません。
ジャウメがルカスを嫌う理由がここにあるのかもしれません。
結局、ルカスは絶望したまま自殺してしまいます。
その後、ジャウメは使用人テレサの息子パウを気に入り、後継者に仕立てようと熱を入れだします。
そこでパウが手のひらを返し、母親の復讐のため、ジャウメを銃殺するのでした。
新宿武蔵野館で「ペトラは静かに対峙する」鑑賞・レビュー
この映画、時系列がバラバラで、第2章から始まって、第3章→第1章→第4章→第6章→第5章→第7章と展開していきます。最後には、ルカスの母親がルカスが実はジャウメとの子ではないとペトラに打ち明けて終わりです。
物語が二転三転するこのストーリー、最後まで全く結末が読めないように工夫されていました。
「ペトラは静かに対峙する」、そのタイトルの通り、主人公ペトラは絵画を通して自分自身と対峙し、父ジャウメと対峙、そして真実や運命とも対峙していきます。
その中で、一度も弱音を吐くことなく、心情を吐露するシーンなども描いておらず、むしろ笑いながら踊るシーンが印象的でした。対峙するものとしての勇敢な姿は、魔物へと挑む勇者のようでした。
ジャウメの嘘は、自らの自白で他人を狂わせ、楽しみます。それすら創作の意欲にして。
そして、陽光にさらされ何もなかったかのように日々は続いていく。
時系列をバラバラにすることで観客を混乱させ、物語としての深みを増しているように感じました。
久々にパンフレットが欲しくなる程、心揺さぶられる良い映画でした。
ぜひ気になるかたはチェックしてみてください。
それではまた。
タイトル | ペトラは静かに対峙する(公式サイト) |
原題 | Petra |
制作年 | 2018 |
上映時間 | 107min |
制作国 | スペイン、フランス、デンマーク |
脚本・監督 | ハイメ・ロサレス |
配給 | Wanda Visión S.A. Condor Distribution サンリス |