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【書籍レビュー】現代に突き刺さる警察ミステリー小説『再愛なる聖槍』、由野寿和氏の1作目にして続編を期待する名作が誕生!

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2022年12月7日、幻冬舎より出版されたミステリー小説『再愛なる聖槍』が1月31日よりKindle版が販売。観覧車がジャックされるという前代未聞の小説、読んでみてのレビューをご紹介します。

目次

クリスマスイブに起きる前代未聞の事件

『再愛なる聖槍』は、現代日本を舞台にした長編ミステリ小説。

誰もが浮かれるクリスマス・イブに、遊園地を舞台にした前代未聞の観覧車ジャックが起きてしまう。

元刑事の主人公・仲山とその娘・凛が観覧車ジャックに巻き込まれ、観覧車の中に閉じ込められた状態で仲山が事件を解決していきます。

果たして巻き込まれたのは偶然なのか、観覧車をジャックした理由とは。そして仲山が刑事を辞めるきっかけになった5年前の事件について。

最後まで結末が分からない怒涛の展開が続きます。

『再愛なる聖槍』の簡単な内容
・観覧車ジャックを題材とした前代未聞のミステリー
・午前11時15分、“小人”によるジャックでドリームアイ停止
・元警察官の仲山が観覧車に閉じ込められながら事件を解決に導いていく
・仲山が警察官を辞めるきっかけとなった5年前の事件とは?

デビュー作とは思えない名作が誕生

本作は、1990年生まれの作者由野寿和(ゆうや・としお)氏のデビュー作です。

とても新人とは思えないような、読みやすくスピード感のある文体、そして緻密な構成に脱帽しました。

物語が進むに連れ、決して単純ではない絡み合う糸がひとつひとつ解けていきます。

散りばめられた伏線を回収していきながら、どうなっていくか最後まで全く読めない結末。犯人は一人ではない?という決して1対1ではない構図を上手く描ききっています。

また、登場人物の心情をリアルに描いており、スリル感満載で最後まで楽しめる作品です。

現代に突き刺さる本質!自分は被害者なのか加害者なのか

現代において、自分が必要とする情報しか受け取らなかったり、必要ではない情報を右から左へ流してしまうことは当然のことのようになっています。なぜならSNSやネット社会などの情報量が多すぎるから。

見て見ぬふりをしてしまうこと、また視界に入っていても気づかないことはよくある話です。

そのちょっとした一つ一つが積み重なり、ある事件が起こってしまう。

被害者でもありながら加害者にもなりうる怖さというものをひしひしと感じました。

被害者と加害者、どの視点で読むかで全く感じ方が異なってくる本作。他人事だとは決して思えない、自分のことにも置き換えられるようなそんな感覚を味わえます。

主人公は閉じ込められ、誰かの人生のように突然止まってしまう観覧車。ジェットコースターのごとく展開していくストーリー。

ぜひ、「再愛なる聖槍」と言う名のテーマパークを存分に楽しんでみてください。

最後に、主人公・仲山の人物像がとても人間味にあふれ魅力的です。第二の人生として続編が続いていくことを期待しています。探偵のごとく推理する仲山の活躍をまた読んでみたいなと率直に思いました。

由野寿和氏の初著書『再愛なる聖槍』詳細

■作品名:再愛なる聖槍
■著者:由野寿和(ゆうや としお)
■発行:幻冬舎メディアコンサルティング
■発売:幻冬舎
■出版年月日:2022/12/7
■Kindle版:2023/1/31
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