『新宿御苑』にて11月9日(月)より開催されている「菊花壇ライトアップ」。開催日当日、実際に伺ってきましたので、写真多めでご紹介していきます。
「菊花壇ライトアップ」は新宿門のみ開門
『新宿御苑』で開催されている「菊花壇展」では、日本庭園に設けた上家(うわや)という建物にて7つの上家花壇と2つの露地花壇を展開。
菊花壇が優しい光でライトアップされる「菊花壇ライトアップ」は、2020年11月9日(月)〜11月15日(日)の期間中、17:30~19:30の時間帯で実施され、新宿門のみの開門となっています。
新宿御苑「菊花壇ライトアップ」
新宿御苑の新宿門に入ってすぐに見えてくるのが196輪からなる兼六雪峰。
新宿御苑に入ると、ところどころにスタッフが配置されており、迷わないように誘導してくれます。
「菊花壇」だけでなく、新宿御苑の木々もライトアップされ、ビル群の明かりと相まって幻想的な光景が広がっていました。
ライトアップされた旧御涼亭は、池に反射して“逆さ旧御涼亭”も出現。
NTTドコモ代々木ビルも“塔のように”妖しく光っているようでした。
夜の日本庭園では、昼間とは違った日本の伝統美の魅力を発見できます。
(1)懸崖作り花壇(けんがいづくりかだん)
懸崖作り花壇ー作り始め:大正4年(1915)
野菊が断崖の岩間から垂れ下がって咲いている姿を模して、1本の小菊を大きな株に仕立てる枝法を「断崖作り」とよびます。
古木の台の上に、花鉢を配色よくならべています。
(2)伊勢菊、丁字菊、嵯峨菊花壇(いせぎく、ちょうじぎく、さがぎくかだん)
伊勢菊、丁字菊、嵯峨菊花壇ー作り始め:昭和30年(1955)
伊勢菊は、伊勢地方(三重県松坂)で発達した菊で、縮れた花びらが垂れ下がって咲きます。
丁字菊は、花の中心部が盛り上がって咲く菊で、アネモネ咲きともよばれています。
嵯峨菊は、京都の嵯峨地方(京都・嵯峨野)で発達した菊で、細長い花びらがまっすぐに立ち上がって咲きます。
(3)大作り花壇(おおづくりかだん)
大作り花壇ー作り始め:明治17年(1884)
初冬に出てくる芽を1年がかりで枝数をふやし、1株から数百輪の花を半円形に整然と仕立てて咲かせる技法を「大作り」とよびます。これは新宿御苑独自の様式で、全国各地の菊花壇展でみられる千輪作りの先駆けにもなっています。
(4)江戸菊花壇(えどぎくかだん)
江戸菊花壇ー作り始め:明治11年(1878)
江戸菊は、江戸時代に江戸(東京)で発達した古典菊です。
花が咲いてから花びらが様々に変化し、色彩に富んでいるのが特徴で、「花の変化」を鑑賞する菊です。
新宿御苑の菊花壇のなかでは、もっとも古い歴史があります。
(5)一文字菊、管物菊花壇(いちもんじぎく、くだものぎくかだん)
一文字菊、管物菊花壇ー作り始め:大正14年(1925)
一文字菊は、花びらの数が16枚前後の一重咲きの大輪菊です。
花の形から、御紋章菊ともよばれています。
管物菊は、筒状に伸びた花びらが放射状に咲く大輪菊で、糸菊ともよばれています。
(6)肥後菊花壇(ひごぎくかだん)
肥後菊花壇ー作り始め:昭和5年(1930)
肥後菊は、古くから肥後(熊本)地方で作られた一重咲きの古典菊で、おもに武士の精神修養として発達しました。
栽培方法や飾り方は、江戸時代に熊本で確立した、秀島流の厳格な様式にもとづいています。
(7)大菊花壇(おおぎくかだん)
大菊花壇ー作り始め:明治17年(1884)
大菊は、菊の代表的な品種で、花びらが花の中央を包み込むように丸く咲くのが特徴です。
神馬の手綱模様に見立てた「手綱植え」とよばれる新宿御苑独自の様式で、39品種311株の大菊を黄・白・紅の順に植えつけ、全体の花が揃って咲く美しさを鑑賞する花壇です。
翔天亭
終盤の大菊花壇の近くには、日本庭園の茶室・翔天亭も営業されていて、中で休憩できるようになっています。
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