2022年12月7日、幻冬舎より出版されたミステリー小説『再愛なる聖槍』が1月31日よりKindle版が販売。観覧車がジャックされるという前代未聞の小説、どんな内容なのか詳細をご紹介します。
由野寿和氏の初著書『再愛なる聖槍』は上質な警察ミステリー小説
『再愛なる聖槍』は、1990年生まれの新人作家・由野寿和(ゆうやとしお)氏の処女作として2022年12月7日に出版された話題のミステリー小説。
現代日本を舞台にした長編の警察ミステリーとなっており、クリスマスイブの遊園地を舞台に、伏線の張り巡らされた緻密かつ骨太なストーリーが繰り広げられています。
作者・由野寿和氏によるデビュー作品ですが、新人らしからぬ文体で、読みながら映像が目に浮かぶような、きわめて写実的な描写が魅力的。
上質なミステリー小説を読みたい方や、現代物の警察小説に挑戦したい方には、自信を持っておすすめできる一冊となっています。
由野寿和氏の初著書『再愛なる聖槍』の簡単なあらすじ
『再愛なる聖槍』の簡単な内容
・観覧車ジャックを題材とした前代未聞のミステリー
・午前11時15分、“小人”によるジャックでドリームアイ停止
物語は、元刑事である仲山と、9歳になった娘とがテーマパーク「ドリームランド」を訪れるところから始まる。二人の目当ては、園内に最近新設された話題の観覧車「ドリームアイ」に乗ること。楽しい時間を過ごしていた二人だったが、観覧車に乗った直後、何者かによって観覧車が“ジャック”されてしまう。仲山とその娘を含め、観覧車に乗っていた12組の乗客は全員人質に取られてしまった。さらに、犯人からの声明後すぐに、ゴンドラの一つが落下。そのゴンドラに乗っていた客は死亡が確認される。
ジャック犯の狙いは何なのか、残りの乗客たちは助かるのか。そして、巨大観覧車に隠された驚がくの真実とは—。愛娘を守るためにも、仲山は観覧車に閉じ込められた状態のまま、真相の解明に乗り出す。
観覧車に閉じ込められる、という特異な状況設定に興味をそそられて読み進める序盤から、5年前に起きた「ある事件」の詳細が断片的に語られ出す中盤、そしてクライマックスに至るまで、まさに息つく暇もないような怒とうの物語展開が続く。
本作は、単に「観覧車ジャック犯は誰なのか?」という謎解きにとどまらないこと点がおもしろい。一つの謎が明らかになると、また別の謎が現れ…という畳みかけるストーリーには、ページをめくる手が止まらなくなってしまう。
登場人物全員の行動原理や心情にも丁寧な説明がなされており、読後の納得感も高い。そのうえで、一切の破綻や矛盾なく物語が練り上げられているため、著者の高い技術力を思い知らされる。
2回目を読み返しても「このシーンは伏線だったのか」と思える部分がいくつもあり、何度でも楽しめる作品になっている。
由野寿和氏の初著書『再愛なる聖槍』の詳細
■作品名:再愛なる聖槍
■著者:由野寿和(ゆうや としお)
■発行:幻冬舎メディアコンサルティング
■発売:幻冬舎
■出版年月日:2022/12/7
■Kindle版:2023/1/31
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