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【書籍レビュー!ネタバレあり】怒涛の展開と驚きの結末『アイアムハウス』は由野寿和氏の1作目を超える緻密で重厚なストーリー

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2024年9月30日(月)に幻冬舎より出版され、早くも反響を呼んでいる由野寿和氏の待望の2作目『アイアムハウス』。今回は、読んでみてのレビューをご紹介します。

目次

秋吉一家の惨殺事件から始まる緻密で重厚なストーリー

『アイアムハウス』は、1990年生まれの作者由野寿和(ゆうや・としお)氏による2作目の長編ミステリー小説です。

『アイアムハウス』の簡単なあらすじ
世界遺産・藤湖のまわりを囲むようにそびえ立つ、静謐な佇まいの十燈荘。
晩秋、秋吉一家がそれぞれの“趣味”にまつわる形で惨殺され、息子・春樹だけが一命を取り留めた。
静岡県警の深瀬が捜査を進めると、住民たちの微妙な距離感、土地独特のルールが浮かび上がる。
そして実は深瀬は、16年前の「十燈荘連続妊婦殺人事件」にも関わっていてー。
犯人は一体誰か。なぜ秋吉家が犠牲となったのか。春樹だけが生き残った意味とは。
結末に驚愕必至のミステリー傑作。

秋吉一家の惨殺事件から始まるストーリーになっていて、誰が犯人で黒幕なのか、最後の最後までわからない展開が続いていきます。

『アイアムハウス』の簡単な内容
・十燈荘を舞台に繰り広げられる殺人事件
・襲われた秋吉一家の表向きの顔と本当の姿
・静岡県警の深瀬による単独捜査
・16年前の「十燈荘妊婦連続殺人事件」とのつながりとは

1作目以上の緻密かつ重厚な名作が誕生!

1作目の処女作「再愛なる聖槍」も同じ長編ミステリー小説で、遊園地で前代未聞の観覧車ジャックが起こることから始まっていきます。

「再愛なる聖槍」を読んだ際に、伏線が張り巡らされた緻密なストーリーだなという印象でしたが、2作目『アイアムハウス』は1作目以上に登場人物も多く、緻密かつ重厚な作品となっています。

より人間の内面へと切り込んでいった作品になっていて、ドロドロとした人間模様、嫉妬や見栄といった人間の醜い部分を丁寧にわかりやすく描いています。

こういった一面が自分にもあるのではないかと思わせるようなリアリティさがありました。

現代への警鐘!あなたにも裏の顔があるはず

本作『アイアムハウス』を語る上で重要なキーワードは、タイトルにもなっている“ハウス”と、重要な意味合いを持つ“バトン”

家庭や家族に関係のあるほっこりとするような言葉ですが、本作で意味しているのはとても悲しく残酷で胸が張り裂けるようなものでした。タイトルにもなっている『アイアムハウス』とは一体なにを意味するのか。

単独捜査をする主人公・深瀬のセリフで「今の人間達は自分の居場所や個人情報を晒すことに抵抗がなさすぎる」といった1文が出てきます。

SNSが主流の今の時代に生まれるべくして生まれたセリフであり、本作は「現代への警鐘」のようにも感じました。

上手に使い分ける“裏アカ”が存在するように、誰しもが持っているであろう二面性が事件を複雑にさせます。誰が犯人で誰が操っている黒幕なのか、怒涛の展開と涙する結末。果たしてバトンは繋がれていくのか。

この時代に生まれるべくして誕生した傑作『アイアムハウス』、ぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか。

由野寿和氏の2作目『アイアムハウス』詳細

■作品名:アイアムハウス
■著者:由野寿和(ゆうや としお)
■出版社:幻冬舎
■発売日:2024年9月30日
Amazonで絶賛販売中

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